宗教法人のメリット
宗教団体が任意団体のままであっても、あるいは法人格を取得した場合でも、その宗教活動は自由であり違いは生じません。しかし、宗教団体が法人格を得た場合には、公益法人の扱いとなり、法律上の能力が与えられることによって、様々なメリットを受けることが出来ます。
社会的メリット
宗教団体が法人化することで公益法人の扱いとなります。これによって社会的信用度が高まり、社会生活における円滑な宗教活動が行いやすくなるというメリットがあります。
税制上のメリット
宗教法人は、法人所得税・法人住民税等について税制上の優遇措置が受けられます。
具体的には、寄付などで財産を取た場合の登録免許税、不動産取得税が非課税扱いとなり、また、固定資産税や都市計画税も非課税となります。更に、法人所得税、県事業税、市事業税、法人住民税も非課税扱いとなるなど、税制上で様々なメリットが受けられます。
また、登記上、礼拝用建物等の差し押さえ禁止が保証されるというメリットもあります。
財産所有のメリット
宗教法人化によって所有財産を法人名義にすることが出来ます。
法人格である以上、これらの財産は設立者などの死亡後も相続を経ることなく、法人組織に帰属するため、財産維持を図ることが出来ます。
事業的メリット
宗教法人になると公益事業の運営が認められるようになります。具体的には、次の施設の運営が可能となります。
・幼稚園、各種学校
・図書館、博物館
・助産施設、保育所、児童厚生施設
・母子福祉施設、老人福祉施設
・墓地、霊園
宗教法人のデメリット
宗教法人設立には多くのメリットがある一方、デメリットもあります。
宗教法人の設立は他の法人設立と手続きが異なり、非常に煩雑で時間も要するものとなっています。また、昨今の宗教団体関連の問題も影響し、所轄庁での設立認証の審査が大変厳しくなっています。