営業保証金
宅建業の営業を開始するには、免許通知を受け取った後、法務局へ営業保証金の供託をするか、あるいは宅地建物取引業保証協会等へ加入し、弁済業務保証金分担金を納める必要があります。
営業保証金の供託
宅建業法では、宅地建物の取引が公正かつ安全に行われるよう多くの規制をしていますが、それでも事故が発生することがあります。これらの取引によって生じた債務について弁済を一定範囲で担保するための措置として、「供託所」に法定の「営業保証金」を供託し、取引により生じた損害に相当する金銭の還付を受けることが出来ることとしています。
営業保証金の供託額
主たる営業所(本店):1000万円
従たる営業所(支店・営業所等):500万円(1店舗につき)
営業保証金は現金のほか、国債、地方債等法令で定める有価証券、振替国債による供託も可能です。
営業保証金は、免許通知が届いてから3ヶ月以内に本店所在地を管轄する供託所に、法定の営業保証金を供託し、免許者に届出をしなければなりません。
なお、この届出を行わずに営業を行った場合は、懲役・罰金の併科に処せられることがあります。
保証協会への加入
宅地建物取引業保証協会(以降「保証協会」)は、国土交通大臣から指定を受けた社団法人で、宅地建物取引業に関して、苦情の解決、従事者に対する研修、取引により生じた債権の弁済等の業務を行っています。
宅地建物の取引によって債権が生じた者は、同保証協会の認証を得て、営業保証金相当額の範囲内において弁済を受けられるようになっています。
弁済業務保証金分担金を支払い、保証協会に加入すれば、営業保証金(本店1000万円、支店1店舗につき500万円)を供託する必要はありません。
現在、保証協会には、「全国宅地建物取引業保証協会」と「不動産保証協会」の二つが指定されています。それぞれのロゴマークから「ハトさん」と「ウサギさん」の愛称で親しまれています。
入会に当たっては、いずれか一方の保証協会にしか加入出来ず、また同時に「宅地建物取引業協会」と「全日本不動産協会」に合わせて加入する必要があります。
ハトマーク | ウサギマーク | |
全国宅地建物取引業保証協会 | 不動産保証協会 | |
全国宅地建物取引業協会 | 全日本不動産協会 |
保証協会への加入に当たっては、各協会の審査に日数を要することとなります。免許申請のスケジュールを考慮したうえで、並行して保証協会加入の準備を進める必要があります。
弁済業務保証金分担金の納付額
主たる営業所(本店):60万円
従たる営業所(支店・営業所等):30万円(1店舗につき)
加入の際は、入会金等が必要となります。総額(分担金含む)で180~230万円位必要になります。